外国人採用の際の面接は、通訳、先方の送り出し機関など数名が同席することが常で、一対一で行う日本人スタッフとは少し勝手が違います。
初めての企業さんにとっては戸惑うことも多いと思いますので、ここでは外国人採用の面接の際に、日本企業側がどういう準備をしていったらいいのか、何を聞いたらいいのか、確認した方がいいポイントはどこか、などをご紹介したいと思います。
面接の前の準備
オンライン面接のアプリ確認
コロナ後、Zoomなどを利用したオンライン面接が一般化したことで、外国人採用の際の面接もオンラインで行うことが増えました。
オンライン会議のアプリはパソコンだけでなく、iPhoneやiPadでも利用ができるので、人事専任者を持たずに代表の方や役員、管理職のかたが人事面接官を兼ねる場合は、出先でも面接可能なので便利になりました。お忙しい方は車の中からという方も、実際おられます。
オンライン会議アプリは、Zoom, Teams, Google Meetがよく利用されます。
Zoomはウェブ上でも動くので、事前のアプリのダウンロードをしていなくても繋がりますが、TeamsやMeetはダウンロードが必要になってきますので、先方から「面接場所こちらです」と送られたURLを確認して、 meet.googleやteamsという文字が入っていれば、事前にアプリをダウンロードしておきましょう。
事前資料のチェック
面接の際に、だれが同席をするかをしっかり確認しましょう。
外国側
- 志願者
- 送り出し機関の担当者
- 通訳 (↑担当者と兼任の場合もある)
- 日本語教育担当者 (通訳と兼任の場合もある)
日本側
- 採用担当者
- 配属予定部署の管理者
- 登録支援機関や監理組合
基本的にはこのような人たちが一斉に面接に同席することが多いです。
面接が初めてだったり、先方の送り出し機関が初めて利用する機関などの場合は、本人の面接も大事なのですが、同時に機関の関係者の状況についての情報収集もするつもりで面接に臨むといいでしょう。
それは、外国人雇用の場合、先方の送り出し機関の質で、採用後のトラブルやフォローに違いが出てくるからです。
送り出し機関を事前チェック
送り出し機関の名前がわかったら、まず面接の前にその機関についての情報を確認しておきましょう。
いくつかのサイトで送り出し機関の不正や許可に関する情報を収集できます。以下のサイトを参考にしてください:
- 外国人技能実習機構(OTIT):
- 外国人技能実習機構の公式サイトでは、送り出し機関の許可状況や不正行為に関する情報を提供しています。特に、許可取消しや注意喚起に関する最新情報が掲載されています。
- 国際人材協力機構(JITCO):
- JITCOのサイトでは、認定された送り出し機関のリストや、送り出し機関に関する詳細な情報を提供しています。ここでは、送り出し機関の適格性や法令遵守状況についても確認できます。
- ヒューライツ大阪:
- ヒューライツ大阪のサイトでは、送り出し機関や監理団体の不正行為に関するニュースや注意喚起が掲載されています。具体的な事例や法的措置についても詳しく説明されています。
面接で注意すべきポイント
いよいよ面接となった時、こちらから質問事項をリストアップしておきたいと思われる方も多いでしょう。ここでは、あくまで外国人雇用の実績があり、カンボジアで介護学校を設置し、渡航前の特定技能性の研修を行った私個人の経験から、日本の企業さんが外国人雇用の際の面接を実りのあるものにするコツを挙げてみます。
面接者と他の関係者との関係をチェックする
面接を行う際は、先述のように送り出し機関側の関係者がそこに同席するケースがほとんどです。
その際に、それらの関係者と面接を受けている就職希望者との関係性を意識してみるということです。
重要なのはお互いに信頼関係があるように見られるかどうか。送り出し機関や日本語教育担当者が就職希望者の人間性を把握できていそうかどうか、という感じです。これはとても重要なポイントなんです。
それは、「他で就職できなかったから、就職あっせんしてくれそうな送り出し機関を渡り歩くケース」があるからです。あくまで「就活のためだけの関係」ということです。でも、なぜそれが重要かというと、送り出し機関というのは日本に渡航した技能実習生や特定技能生の家族を現地でフォローする仕事も担っています。また、就職した後、日本国内で何かトラブルや悩みが発生したときに、外国人労働者は本来は日本国内の登録支援機関や組合に連絡するべきですが、母国語の通じやすさから、送り出し機関や母国で同じような境遇の友人に相談するケースも多いのです。
お互い信頼関係が築けていると、送り出し機関に連絡してくれるので、そこから日本の登録支援機関へ連絡が入ったり、現地の家族などが問題であれば現地で対応してくれますが、そうでない場合は、本来の送り出し機関に連絡せずに、他の機関へ連絡してしまったり、日本で就業経験のある友人などに直接連絡してしまい、対処が難しくなるほど状況がこじれたりしてしまうこともあります。
また、逆もあって、その送り出し機関があくまで「ビジネス」として事業を行っている場合は、面接する本人をフォローしていくという概念はもっていないケースもあります。その場合、送り出し機関で行う日本語教育も、あくまで試験に合格して面接に受かるようにするための日本語教育をしているケースも多く、「日本で働く本人が、日本での生活で困らないための日本語力をつけていく」という意識は低い傾向にあることが多いと思います。もちろん、すべてがそうとは言えませんし、あくまで私の経験上での見解ですが。
実際、私も面接をした際に、送り出し機関のドライな雰囲気に違和感があったケースが何回かありました。結果、採用を決めたのに後から「東京の方が給料がいいから。」といって先方から断りの返事が来ました。送り出し機関は給与の1~2か月分を採用する日本企業に請求することが多く、給与が高い方が送り出し機関にとっても良かったんだと思います。
面接を上手に進めるためのコツ
では次に面接に入るわけですが、その際に祖の面接を上手に進めるコツ、つまり先方に振り回されないで相互理解を深めながら進めていくためのコツがあります。
- 最初から「日本で働きたい動機は?」と聞くと、判で押したようなありきたりの返事になってしまう可能性が大きいので避ける。
- 年齢、これまでの仕事、日本語学校での勉強の様子などを聞いてみる。
- これまでの学校や仕事で自分が楽しかったことや達成したことなどを聞いてみる。
- これらを聞いて、本人の気持ちを少しリラックスさせてから、「日本で働いたことはあるのか?」などの質問をしてみる。
「前に一度行ったことがある」「家族や友人が日本で働いている」という答えの場合は、どんな仕事をしていて、何が楽しかったかなどポジティブな質問をしてみるといいと思います。
ここで「大変だったことは?」という質問をすると、一気に答えにくくなり、「しんどかったといったら、採用してもらえないかも」という意識が働く場合があるので要注意です。もし、聞きたい場合でも「すごく大変な仕事だったんじゃない?」と、誘導するような形がスムーズにいくと思います。
まとめ
ここでは、これまで雇用する日本企業側の立場で外国人採用の面接の経験から、これから外国人採用の面接の際のポイントを述べてきました。
また、面接の際の、送り出し機関や登録支援機関に関するチェックポイントなども、実際に日々面接を行っているメンバーからお伝えできればいいなと思っています。
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この記事を書いた人
七海陽子:一般社団法人 Blue Earth Bridge 理事
有限会社セブンプロジェクト 代表取締役として、薬局セブンファーマシーを経営する薬剤師。日本では、薬局以外に介護事業として通所介護事業所の経営経験があり、その際にカンボジアから特定技能性の雇用した実績を持つ。また、カンボジアで特定技能介護職向けの学校事業にも着手したことがある。元日本薬剤師会国際委員会委員としてアジア各国の薬剤師とのつながりもあり、アジアの薬事や公衆衛生の事情には詳しい。

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